7月のわいがやトークは、佐賀市から前田純二・環境政策調整監と諸富里子氏(広報・デザイン)をお招きしました。
同市はNHK番組「サキどり」などでも報道されたように、下水道由来肥料を生産者目線で徹底的に研究し、植物免疫力が高く、経費削減と品質・収量の向上が図れる「宝の肥料」として作り上げました。その結果、「同肥料で育てられた野菜や花などは品質が評判となり、高級料亭で使われるなど、高値で取引されている」と前田氏は言います。また、高齢の農業者が改めて仕事のやりがいを見つけたり、若い生産者が入ってきたりと、未来の農業へつながる良いサイクルも生まれてきているようです。
品質の高さが評判となっているのは、佐賀県有明漁連の海苔も同じ。実は、その生産の裏で、佐賀市下水浄化センターが大活躍している実態も語られました。ポイントは、季別運転の取り組み。海苔の養殖期を迎える冬場に処理水中の窒素濃度を高くして放流し、栄養塩を供給することにより、海苔が良く育つというのです。特に放流水が直接あたる海は一番の海苔が採れるとのことで、1枚当たり12.58円(佐賀県有明漁連平均11.84円)の値を付けると言います。
このほか、すっぽんの養殖に処理水を使い、健康で美味しいすっぽんを市場に送り出す取り組みも行われているとのこと。
最近では、ジェット燃料の素として注目されるミドリムシの大量培養技術を持つベンチャー企業・ユーグレナと共同研究の契約を交わした佐賀市。前田氏と諸富氏の話は、これからの下水道資源・エネルギーの可能性を大いに示してくれるものでした。
トークの要旨はこちらでご覧いただけます
copyright©2012 下水道広報プラットホーム all rights reserved.