日本の下水道技術の出番! 気候変動問題とアフリカの水事情

公開日:2016年9月14日

 平成28年9月13日、日本下水道協会の5階大会議室に約60名の参加者を集め、わいがやトークを開催しました。
 今回のゲストは、地球環境保全に関する国際的な環境行政の事務方のトップとして気候変動政策の責任者を務めてこられた寺田達志氏です。トークのテーマは「気候変動問題とアフリカの水事情」。近年問題となっている気候変動に対する世界の取り組みや開発途上国支援の現状等についてお話しいただいたほか、2016年4月まで駐ケニア特命全権大使を務められた経験を踏まえ、ケニアを中心としたアフリカの水事情ならびに、同問題に対する日本の支援のあり方などをお話しいただきました。
 アフリカでは近年、都市の衛生的水処理および排水対策、水質汚染対策が大きな課題であり、そこに「日本の下水道技術の出番がある」と寺田氏は指摘します。一方でODAを進める上での懸念材料として、日本企業が受注できないのではないかという不安、施設を整備しても現地の人材では管理できないのではないかという技術的不安、そして採算性維持の不安などが働くケースがあるのも事実。寺田氏ご自身がケニア大使館在籍中に計画したメルー郡の下水道支援も、そのような日本側の懸念によって立ち消えになったそうで、その当時の状況なども詳しくお話しくださいました。
 寺田氏は、「下水道だけで支援を考えるのではなく、都市計画や上水道、保健衛生などと一緒になり、トータルで息の長い協力関係を構築する必要がある」と指摘。円借款の前に都市計画等のマスタープランづくりを無償で行うなどの技術協力を図りながら、「じっくりと現地の信頼を得ていくことが大切」と話してくださいました。
 講演後は寺田氏を囲み、国際協力の方向性などについて自由な意見交換がなされました。

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